アグリ平泉

組合概要

「一関遊水池事業」が導入されたことを受け、大区画ほ場整備が1999年に着工。同整備の進捗に伴い2003年、農地の利用調整と水稲、転作の作業受託を行う「長島営農組合」が設立。その後、品目横断的経営安定対策を契機に経営基盤の強化を望む声があがり、2006年、組合の担い手有志により、主に転作作業受託する法人を設立しました。

大区画ほ場における麦・大豆・飼料用米等のブロックローテーションによる作業の効率化・連作障害の回避・雑草の抑制を達成。小麦では鶏糞堆肥施用で肥料コストと環境負荷の軽減に寄与しています。大豆では小畦立て播種栽培を導入し湿害対策を徹底。飼料用米は養豚業者に提供し販路を確保しました。

また、枝豆、ねぎを導入し、年間作業及び雇用を創出。枝豆の一部は地元加工業者との契約栽培です。

さらに、農産加工品直売施設の運営と併せ、直営パン店も経営し6次産業化の推進を図るとともに、ライス・アートの開催、農業体験により消費者や世代間交流の場となるイベントを定期的に開催する等、地域活性化にも寄与しています。

今後は、直播、防除、直営乾燥により更なる低コスト化を目指すとともに、収益性の高い作物導入、味噌加工、直売施設での新たな商品開発など多角化を指向しています。

会社名 農事組合法人アグリ平泉
所在地 〒029-4101岩手県西磐井群平泉町長島字矢崎54
設立 平成18年4月
資本金 428万円
事業内容 小麦、米、大豆生産 販売
販売所 毛越寺門前直売 あやめ

地域概要

アグリ平泉の所在する平泉町長島地区は、国道4号線平泉バイパスから東部に位置し、
北上川左岸に拓けた平坦な水田地域と、りんご・小菊・ナス等の栽培されている丘陵地からなっています。
農家数538戸、農地面積約600haとなっています。

沿革

平成15年 8月 農地面積331ha 組合員数459名「長島営農組合」設立
平成18年 4月 農事組合法人 アグリ平泉 設立
平成22年 2月 平泉農産物加工直売施設「毛越寺門前あやめ」開設

受賞歴

平成19年度岩手県麦作共励会奨励賞
平成21年度岩手県大豆作共励会奨励賞
平成22年度岩手県大豆作共励会優秀賞
平成25年度東北農政局土地改良事業地区営農推進功労者表彰東北農政局長賞

 

ほ場整備と経営発展

○長島地区は、平泉町東部と一関市の一部を含む北上川左岸に展開し、平均勾配が1/800の平坦な水田地帯であり、平泉町の全水田面積の約3割を占めます。地区内農地は、331haに5,000以上のほ場が存在する小区画地帯であり、排水不良等により生産性の低い農業経営を強いられていました。

○一方、本地区は、一関遊水地事業第2遊水地(470ha)と位置づけられており、同事業に伴う家屋移転、周辺堤防の盛土計画の進捗にあわせ、遊水地内の農地の有効利用、担い手育成等を目的に98年から、ほ場整備事業「一関第2地区」に着手し、1ha区画の大区画化、用水パイプライン化、農道整備等が04年に完成し、農地の流動化、農作業・水管理の省力化が図られています。

○ほ場整備の工事開始に合わせ、99年に「長島水田営農組合」が設立、03年には、関係する16集落の全459戸の加入による「長島営農組合」が設立され、26名の担い手による地区内水稲、転作作物の作業受託を基にした農地利用集積が行われました。

○その後、品目横断的経営安定化対策を活用し経営基盤強化を望む声が担い手から挙がり、06年、担い手14名を構成員とし、大区画ほ場での転作作業を受託する「農事組合法人 アグリ平泉」が設立されました。なお、「長島営農組合」は、組合員と担い手間の農作業受委託契約業務を行っています。

○主な農作業労働力は、15名(30代,50代,60代以上)です。なお、農繁期には15~6名の臨時雇用を行っています。また、10年の農産加工品直売所の運営開始とともにパート従業員3人を雇用しています。

○当初は各構成員が所有する農業機械を各々利用していましたが、徐々に法人所有の農業機械を整え、現在はトラクターの6台(23~33馬力、60~65馬力,75馬力、120馬力)、田植機 2台(8条植)、汎用コンバイン4台(6条刈)の構成で経営しています。なお、コスト削減、冬場の作業を確保するため13年から乾燥調整機を導入しています。

○額縁明渠の設置とともに、小畝立て播種栽培技術を導入し、湿害対策を徹底しています。また、鶏糞堆肥利用による肥料コストの低減を図っています。11年、飼料米を導入し、地元養豚業者に供給し、同業者か供給される堆肥を利用為、肥料コストの低減と循環型農業を実現しました。

○08年から枝豆を導入し、地元食品加工会社との直接取引を行っています。さらに、09年、コユキコムギを利用している東京のパン店との出会いから契約栽培を開始し、これを契機に自家製パン製造と法人直営店を毛越寺門前の農産加工品直売所の運営にあわせて開始しました。自ら生産した小麦で製造したこだわりパンは「平泉きいろあんぱん」のブランドで人気パンとなっています。また、地元学校給食にも納入しています。

○09年より大区画ほ場を利用し、色彩の異なる稲の移植による「ライス・アート」を開催しており、年間200名以上が参加する田植え、稲刈り体験の場を提供を通じて地域における交流促進を図っています。

○今後は、直播導入、防除作業の拡大等、低コスト化を進めるとともに、小麦の品種を増やし用途別のマーケットインを目指しています。また、加工部門、野菜部門の拡大を目指しています。

規模拡大意向

転作面積が減り、来年度の経営面積は91.3haと1割程減ります。条件に合えば地区外への面積拡大も考えています。受け入れの農地の区画が狭く、分散することが課題であり、積極的には拡大できません。今後、米価の低下や地区内の担い手の世代交代が進んでいくと、どう組み替えが起きるかわかりませんが、転作作物だけでなく食用水稲の面積も増えるかもしれません。将来的には一関地区の3法人は合体が必要となると考えています。いずれにせよ補助金が無いと赤字経営が実態です。

経営の安定化のためには通年雇用が重要であり、上流部での冬キャベツ栽培を考えています。また、加工部門の収支が安定していないので大豆の味噌加工等、加工部門の強化を考えています。さらに農産加工品直売所での販売が平泉世界遺産指定翌年をピークに低下傾向にあり、新商品の開発などに販売部門の強化へシフトしていきたいと考えています。

(農)アグリ平泉の経営農地の状況

(農)アグリ平泉の経営農地の状況